高齢者のためのITおたすけ隊

親御さんのスマホが「見やすく」「使いやすく」なる設定のコツ ~地域で相談できる場所もご紹介~

Tags: スマホ設定, 高齢者IT支援, スマホ教室, 地域支援, アクセシビリティ

親御さんのスマホ、見え方や操作性でお困りではありませんか

ご自身の親御さんのスマホ利用をサポートされている皆様、いつもお疲れ様です。 スマートフォンの普及は目覚ましいものがありますが、画面が小さい、文字が読みにくい、タッチ操作がうまくいかないなど、高齢の方にとっては使いづらさを感じる場面が少なくないかもしれません。

「せっかくスマホを持ったのに、うまく使えない」「操作を間違えてしまうのが怖い」といった声を聞くと、サポートするご家族としても心を痛めることがあるのではないでしょうか。また、こうした使いづらさが、親御さんのスマホへの苦手意識につながってしまうこともあります。

実は、スマートフォンの多くには、利用者の状況に合わせて「見やすく」「使いやすく」するための様々な設定機能が備わっています。これらの機能を適切に活用することで、親御さんのスマホ利用がより快適になり、ITへのハードルを下げることができます。

この記事では、親御さんのスマホを「見やすく」「使いやすく」するための具体的な設定のコツと、設定に困った時やもっと詳しく知りたい場合に頼りになる地域の相談先についてご紹介します。

親御さんのスマホを「見やすく」するための設定

まずは、スマホの画面表示に関する設定です。視力の低下や画面の小ささによって文字が読みにくいと感じている親御さんには、以下の設定が役立ちます。

1. 文字サイズ・表示サイズの変更

スマートフォンの設定画面から、文字のサイズや画面全体の表示サイズを大きく調整することができます。 * 文字サイズ: アプリ内の文字やメニューなどの文字を大きく表示します。 * 表示サイズ: アイコンや画像、文字を含めた画面全体の表示要素を大きく表示します。

機種によって設定方法は異なりますが、「設定」アプリの中から「ディスプレイ」や「画面設定」、「アクセシビリティ」といった項目を探すと見つかることが一般的です。最初は少し大きすぎるくらいに設定してみて、親御さんと一緒に見ながら最適なサイズを見つけるのが良いでしょう。

2. 画面の拡大機能(ズーム機能)

画面の一部を一時的に拡大して表示する機能です。細かい文字や小さな画像を確認したい場合に便利です。

これも「設定」の「アクセシビリティ」項目にあることが多い機能です。特定の操作(例: 画面を3回タップする、特定のボタンを有効にする)で画面が拡大されるようになります。常に有効にするのではなく、必要な時にだけ使えるように設定すると、誤操作を防ぎやすくなります。

3. 明るさ・コントラストの調整

画面の明るさを適切に調整したり、文字と背景のコントラストを高めたりすることで、文字がより読みやすくなります。

「設定」の「ディスプレイ」項目で調整できます。周囲の環境に合わせて明るさを自動調整する機能もありますが、高齢の方には一定の明るさに固定する方が使いやすい場合もあります。

親御さんのスマホを「使いやすく」するための設定・機能

次に、操作性や利便性を向上させるための設定や機能です。タッチ操作の苦手意識や誤操作の不安を軽減することにつながります。

1. 音声読み上げ機能

画面に表示されている文字情報を、音声で読み上げてくれる機能です。文字を読むのが負担な場合や、目が疲れやすい場合に役立ちます。

「設定」の「アクセシビリティ」項目にあります。設定方法や使い方は機種によって多様ですが、特定の範囲を選択して読み上げさせる、画面全体を読み上げさせるなど、様々な使い方が可能です。

2. 操作補助機能(タッチ操作の調整など)

タッチパネルの感度を調整したり、長押ししないと反応しないように設定したりするなど、誤操作を防ぎ、より確実に操作するための補助機能があります。

これも「設定」の「アクセシビリティ」や「操作設定」といった項目にあることが多いです。例えば、指が触れてすぐに反応すると意図しない操作をしてしまいやすい場合、少し長めに触れないと反応しないように調整するといった設定が可能です。

3. シンプルモードやホーム画面の整理

スマートフォンには、アプリのアイコンやウィジェットなどがたくさん表示される通常のホーム画面とは別に、よく使う機能だけを大きく表示する「シンプルモード」や「かんたんモード」といったものが用意されている場合があります。

また、通常のホーム画面でも、不要なアプリのアイコンを整理したり、よく使うアプリだけをまとめて配置したりすることで、画面をすっきりさせ、目的の機能にたどり着きやすくすることができます。

4. 着信音・通知音の調整

電話の着信やメッセージの受信を確実に気づけるよう、着信音や通知音の音量を大きくしたり、バイブレーションを有効にしたりすることも大切な設定です。

「設定」の「音」や「着信音」といった項目で調整できます。静かな場所にいることが多いのか、それとも騒がしい場所にいることが多いのかなど、親御さんの生活スタイルに合わせて調整してあげると良いでしょう。

設定をサポートする際のヒント

これらの設定を行う際、ご家族がサポートする上でのいくつかのヒントをご紹介します。

設定に困った時、もっと詳しく知りたい時は ~地域で相談できる場所~

ご自身での設定が難しかったり、親御さんの状況に合わせた最適な設定方法を知りたいと思ったりした時には、一人で悩まず地域の支援を活用しましょう。

地域のスマホ教室・IT教室

多くの地域で、高齢者向けのスマホ教室やIT教室が開催されています。これらの教室では、基本的な使い方だけでなく、こうした「使いやすくする設定」について解説してくれる場合もあります。インストラクターに直接質問できるため、疑問点をすぐに解消できるメリットがあります。単発の講座だけでなく、複数回にわたってじっくり学べるコースもあります。

行政や社会福祉協議会などの相談窓口

市区町村の役所や社会福祉協議会などが、高齢者向けのIT相談窓口を設置している場合があります。無料で利用できることが多く、身近な場所で専門家やサポート員に相談できます。事前に予約が必要な場合が多いので、自治体の広報誌やウェブサイトなどで情報を確認してみましょう。

NPOやボランティア団体によるIT支援

地域によっては、NPO法人やITボランティア団体が高齢者向けの個別相談や訪問支援を行っていることがあります。自宅に来てもらって、使っている機器を見ながら具体的に設定を手伝ってもらえるサービスなどもあります。利用料金は団体によって異なります。

携帯ショップ

契約している携帯キャリアのショップでも、操作方法や設定に関する相談を受け付けています。ただし、機種変更や契約内容の確認が優先される場合があること、詳細な設定サポートは有料サービスとなる場合があることに注意が必要です。事前に問い合わせて、どのようなサポートが受けられるか確認しておくと良いでしょう。

まとめ

親御さんのスマートフォンの設定を「見やすく」「使いやすく」調整することは、日々のIT利用における小さなストレスを減らし、より快適にスマホを活用してもらうための大切なステップです。文字サイズや画面表示、操作補助など、親御さんの状況に合わせた設定を見つけていきましょう。

ご自身でのサポートに限界を感じたり、専門的なアドバイスが必要になったりした場合は、地域のスマホ教室や相談窓口など、様々な支援機関を積極的に活用してください。ご家族だけで抱え込まず、地域の力を借りることで、親御さんのデジタルライフをより豊かに支えていくことができます。