もう悩まない!親御さんのオンライン手続きサポート ~家族ができること、地域で頼れる場所~
親御さんのオンライン手続きサポート、抱え込んでいませんか?
近年、様々な手続きがオンライン化され、私たちの暮らしは便利になりました。しかし、ITに不慣れな高齢の親御さんにとっては、この流れについていくことが難しい場合も少なくありません。公共料金のオンライン請求、イベントへの参加申し込み、役所への簡単な申請など、オンラインでの手続きが必要な場面が増えています。
多くの場合、こうした親御さんのオンライン手続きをサポートしているのは、ご家族、特に40代から50代のお子さん世代ではないでしょうか。代わりに手続きを進めたり、操作方法を教えたりすることは、時間も労力もかかり、大きな負担になっているかもしれません。
「毎回、代わりに手続きしている」「教えたいけど、どう伝えたらいいかわからない」「エラーが出るとお手上げだ」といったお悩みをお持ちのご家族もいらっしゃるかと思います。
この記事では、親御さんがオンライン手続きでつまずきやすいポイントを確認し、ご家族ができるサポートのヒント、そして何より、家族だけで抱え込まずに地域で頼ることができる様々な支援についてご紹介します。親御さんが自信を持って一歩を踏み出し、ご家族の負担を軽減するための一助となれば幸いです。
親御さんがオンライン手続きでつまずきやすいポイント
なぜ、オンラインでの手続きは高齢の方にとって難しいと感じられるのでしょうか。主な理由をいくつか挙げてみましょう。
- 専門用語が多い: 「ログイン」「パスワード」「認証」「アップロード」「ダウンロード」「PDF」など、日常会話ではあまり使わないIT関連の言葉に戸惑うことがあります。
- 画面の指示が分かりにくい: 画面上のボタンの意味や、次に何をすれば良いのかが直感的に理解できない場合があります。デザインやレイアウトが変わると、さらに混乱することも。
- IDやパスワードの管理: サービスごとに異なるIDやパスワードを設定し、それを安全に管理・記憶することが負担になります。忘れてしまった場合の対処も複雑です。
- 個人情報の入力や確認: 氏名、住所、生年月日などを正確に入力する作業や、入力内容の確認画面での注意点を見落としてしまうことがあります。
- 添付書類のアップロード: スマートフォンで撮影した書類の写真を、指定された形式でアップロードする操作などが難しい場合があります。
- セキュリティへの不安: 不正アクセスや個人情報漏洩のリスクを感じ、オンラインで手続きすること自体に抵抗がある方もいらっしゃいます。
- エラーが出た時の対処法: 想定外のエラーメッセージが表示されたり、途中で画面が固まってしまったりした場合に、どう対処すれば良いか分からず、諦めてしまうことがあります。
- 完了したかどうかの確認: 手続きが正しく完了したのか、申込みが受け付けられたのかなどが分かりにくい場合、不安を感じます。
こうした様々なハードルが重なり、オンライン手続きを自分で行うことへの苦手意識や億劫さが生まれてしまうのです。
家族ができるサポートのヒント
親御さんのオンライン手続きをサポートする際に、ご家族が意識したい点をいくつかご紹介します。全てを代行するのではなく、親御さん自身が少しずつ慣れていけるようなサポートを心がけましょう。
- 一緒に操作し、見守る姿勢で: 手を出しすぎてしまうと、親御さんは自分で操作する機会を失ってしまいます。隣で画面を見ながら、「次はここのボタンを押してみましょう」「ここに〇〇と入力してください」のように声かけを行い、親御さん自身に操作してもらうように促しましょう。
- 必要な情報を整理しておく: 手続きに必要な書類や情報(例: 契約者番号、ID、パスワード、生年月日など)を事前にリストアップし、親御さんがすぐに確認できるようにしておくとスムーズです。
- 専門用語は平易な言葉で: 難しいIT用語は避け、「この箱に電話番号を入れる」「送信ボタンを押す」など、具体的に何をするのかを分かりやすい言葉で伝えましょう。「ログインというのは、このサイトに入るための鍵のようなものです」のように例えるのも有効です。
- 落ち着いて、根気強く: 一度で理解できなくても当然です。繰り返しになることもありますが、焦らず、穏やかな口調で向き合うことが大切です。失敗を責めたり、ため息をついたりすることは避けましょう。
- 簡単な手続きから始める: 最初は、公共料金の請求をオンラインに切り替える、イベント情報をオンラインで確認するなど、比較的簡単なものから試してみましょう。成功体験を積むことが自信につながります。
- 手順を記録に残す: よく利用する手続きや、つまずきやすいポイントの手順を、手書きのメモ、スマートフォンのメモアプリ、または画面のスクリーンショットや動画で記録しておくと、次回以降親御さん一人でも進めやすくなります。
- 遠方に住んでいる場合は画面共有ツールも: スマートフォンやパソコンの画面を共有できるアプリ(LINEの画面共有機能やZoomなど)を活用すれば、離れていても同じ画面を見ながらサポートできます。
家族だけで抱え込まない!地域で頼れる場所
ご家族のサポートはもちろん大切ですが、全てを家族だけで行うのは大変です。幸い、地域には高齢者のIT利用を支援してくれる様々な機関や団体があります。上手に活用することを検討してみましょう。
- 自治体の相談窓口やIT支援員: 多くの自治体では、マイナンバーカードの申請や特定の行政手続きに関する相談窓口を設けています。専門のIT支援員を配置している自治体もあり、マンツーマンで操作をサポートしてくれる場合があります。広報誌や自治体のウェブサイトで情報が公開されています。
- 地域包括支援センター: 高齢者の暮らしに関する様々な相談を受け付けている窓口です。直接的なIT操作のサポートは行わない場合が多いですが、ITに関する困りごとを聞き、地域の適切な支援機関を紹介してくれる場合があります。
- 高齢者向けIT教室・スマホ教室: 基本的なスマートフォンの操作から、インターネット検索、メール、LINEなどのアプリ活用まで、様々な内容の講座があります。手続きそのものを直接教えてくれるわけではありませんが、ITの基本操作を習得することで、オンライン手続きへの抵抗感を減らすことができます。中には、特定のオンラインサービス利用を練習する講座を実施しているところもあります。
- NPOやボランティア団体: 高齢者向けのITサポートを専門に行っているNPOやボランティア団体が地域に存在する場合があります。こうした団体は、個別の困りごとに寄り添い、丁寧なサポートを提供していることが多いのが特徴です。自宅への訪問サポートに対応している場合もあります。インターネットで「[お住まいの地域名] 高齢者 ITボランティア」「[お住まいの地域名] ITサポート NPO」などで検索してみると情報が見つかることがあります。
- 携帯電話会社のショップ: スマートフォンの契約や機種に関するサポートが主な業務ですが、基本的な操作方法や特定のアプリの使い方について相談に乗ってくれる場合があります。ただし、込み入ったオンライン手続きのサポートは難しいことが多いです。
- 郵便局や金融機関: 一部の郵便局や金融機関では、特定のオンラインサービス(ゆうちょ銀行ダイレクト、オンラインバンキングなど)の操作について、簡易なサポートを提供している場合があります。
これらの地域の支援を組み合わせることで、「基本的な操作は地域の教室で学ぶ」「特定の手続きで困ったら自治体の窓口に相談する」「複雑な個別の困りごとはNPOに依頼する」といった形で、ご家族の負担を分散させることが可能です。
地域の支援をどうやって探す?
地域のIT支援を探すには、以下のような方法があります。
- お住まいの市区町村のウェブサイトを確認する。「高齢者」「IT」「デジタル」「スマホ教室」といったキーワードでサイト内検索をしてみましょう。
- 自治体の広報誌や回覧板に情報が掲載されることがあります。
- 地域包括支援センターや社会福祉協議会に電話や窓口で相談してみましょう。
- インターネット検索サイトで「[お住まいの地域名] 高齢者 IT支援」「[お住まいの地域名] スマホ教室 無料」などのキーワードで検索してみるのが有効です。
まとめ
親御さんのオンライン手続きをサポートすることは、ご家族にとって少なくない負担を伴うかもしれません。しかし、親御さん自身が少しでもITツールを使えるようになることは、生活の利便性を高め、社会との繋がりを維持するためにも非常に有効です。
全てを家族だけで抱え込む必要はありません。親御さんがオンライン手続きでつまずきやすいポイントを理解し、根気強く寄り添ったサポートを試みつつ、ぜひ地域の様々なIT支援や相談窓口の活用を検討してみてください。地域の力を借りながら、親御さんのデジタルライフを安心してサポートしていきましょう。