親御さんとSNSで広がる世界 ~安全利用のポイントと地域で学べる場所~
親御さんのSNS利用、応援したいけれど不安も…
離れて暮らす親御さんとの連絡手段として、LINEなどを活用されているご家庭は多いことと思います。さらに一歩進んで、FacebookやInstagramなどのSNSで、ご友人や地域のコミュニティと繋がったり、趣味の情報を集めたりといったことに親御さんが関心を持たれた時、どのようにサポートすれば良いか悩む方もいらっしゃるかもしれません。
SNSは、使い方次第で高齢者の生活を豊かにする素晴らしいツールとなり得ます。しかし同時に、個人情報の取り扱いや詐欺といった、安全面での不安もつきまといます。親御さんご自身や、サポートするご家族が安心してSNSの世界を楽しめるよう、安全な利用のポイントと、困った時に頼れる地域の支援情報をご紹介します。
SNSが高齢者にもたらすメリット
SNSは単なる連絡ツールを超え、高齢者の方々にも様々なメリットをもたらします。
- 家族や友人との繋がり強化: 孫の成長を写真で共有したり、遠方の親戚と日常の出来事を手軽に伝え合ったりできます。昔の友人と再会できる機会も生まれるかもしれません。
- 趣味や関心の拡大: 同じ趣味を持つ人と交流したり、地域のイベント情報を得たり、興味のある分野の最新情報を集めたりするのに役立ちます。
- 社会との接点維持: 外出が難しくなった場合でも、オンライン上で社会との繋がりを保ち、孤立を防ぐ一助となります。
- 脳の活性化: 新しい情報に触れたり、文章を作成したり、人間関係を構築したりすることで、脳に適度な刺激を与えることが期待できます。
親御さんがSNSを始める際の安全利用のポイント
SNSを安全に利用するためには、いくつかの基本的な注意点があります。親御さんがこれから始められる場合、あるいは既に利用されている場合も、一緒に確認していただくことが大切です。
1. プライバシー設定を適切に行う
SNSには、投稿を誰に見せるか(全体公開、友人まで、特定の人のみなど)や、友達申請を誰から受け付けるかなどを設定できるプライバシー機能があります。
- 投稿の公開範囲: 最初は「友人まで」など、公開範囲を狭く設定することをおすすめします。家族や本当に信頼できる友人のみに限定することも可能です。
- 個人情報の掲載: 住所や電話番号といった個人情報、自宅が特定できるような写真(表札など)は投稿しないように注意が必要です。誕生日や現在の居住地なども、設定によっては公開されてしまうことがあるため確認しましょう。
2. 知らない人からの連絡に注意する
全く知らない人からの友達申請やメッセージには慎重に対応することが重要です。
- 安易に承認しない: 面識のない人からの申請は安易に承認せず、本当に知っている人からの申請か、共通の友人がいるかなどを確認します。
- 怪しいメッセージは開かない: 不審なメッセージや、お金の話、個人情報を聞き出そうとするような内容には応じず、無視するか、可能であれば報告・ブロック機能を利用します。
3. 偽情報や詐欺に気をつける
SNSには、偽の情報や、詐欺まがいの広告、フィッシング詐欺に繋がるようなリンクが紛れ込んでいることがあります。
- 甘い話に注意: 「無料で〇〇がもらえる」「簡単に儲かる」といった話には警戒が必要です。
- 不審なリンクはクリックしない: 知らない人からのメッセージや、信頼できない情報源からの投稿に含まれるリンクは安易にクリックしないように指導します。
- 公式マークを確認: 有名企業や公的機関のアカウントには公式マーク(認証バッジ)がついていることがあります。ただし、これがあるからといって全て安全とは限らないため、情報の内容自体も慎重に判断することが大切です。
親御さんにSNSを教える際のヒント
安全利用のポイントを踏まえつつ、親御さんにSNSの使い方を教える際には、以下の点に留意するとスムーズです。
- 一つずつ、ゆっくりと: SNSは多機能に見えるため、一度に全てを伝えようとせず、まずは「写真を見る」「『いいね!』を押す」といった基本的な操作から始めます。
- 繰り返しの練習: 最初は戸惑うことも多いので、根気強く繰り返し一緒に操作練習をすることが大切です。
- 専門用語を避ける: 「タイムライン」「フィード」「メンション」といったSNS特有の用語は避け、分かりやすい言葉で説明します。例えば、「タイムライン」なら「みんなの投稿が見られる場所」のように言い換えます。
- 成功体験を積ませる: 上手に操作できた時には褒めるなど、小さな成功体験を積み重ねることで、自信に繋がり、使うことへの抵抗感が減ります。
困った時は一人で悩まない、地域の支援を活用する
親御さんのSNS利用に関して、家族だけで全ての疑問やトラブルに対応するのは負担が大きい場合もあります。そんな時は、地域のIT支援サービスや相談窓口の活用を検討しましょう。
- 地域のIT支援団体やNPO: 高齢者向けにスマホやパソコンの教室を開催している団体の中には、SNSの使い方に関する講座や、個別の相談を受け付けている場所があります。マンツーマンで教えてくれる場合もあります。
- 市区町村の広報誌やウェブサイト: お住まいの自治体が、住民向けに無料または安価なIT講座や相談会を実施している場合があります。広報誌やウェブサイトで情報を確認してみましょう。社会福祉協議会が高齢者向けの支援を行っている場合もあります。
- 高齢者向けのスマホ教室: 民間のスマホ教室でも、SNSの基本的な使い方を教えてくれるコースが用意されていることがあります。
これらの地域資源を活用することで、親御さんご自身が安心してSNSのスキルを習得できるだけでなく、ご家族のサポート負担を軽減することにも繋がります。まずは、お住まいの地域にどのような支援があるか調べてみることをおすすめします。
まとめ
SNSは、高齢の親御さんの世界を広げ、家族や社会との繋がりを深める有効なツールです。安全に利用するための基本的な知識を身につけ、困った時には地域の専門家や支援機関に相談することで、親御さんもご家族も安心してSNSを楽しむことができるでしょう。この情報が、親御さんの新たなデジタルライフをサポートする一助となれば幸いです。