高齢者のためのITおたすけ隊

親御さんのスマホ・タブレット、身体に合わせて「使いやすく」設定変更 ~アクセシビリティ機能と地域で聞ける場所~

Tags: 高齢者IT, スマホ設定, タブレット設定, アクセシビリティ, 地域支援

親御さんのIT機器、もっと「使いやすく」するための設定とは

日頃、親御さんのスマートフォンやタブレットの操作について質問を受けたり、設定を手伝ったりする機会は多いかもしれません。親御さんが「画面が見にくい」「ボタンが押しにくい」「音が聞き取りにくい」といった身体的な不便さを感じている様子を見て、何とかしてあげたいと考えている方もいらっしゃるでしょう。

IT機器は、購入したままの設定では、すべての人にとって最適な状態とは限りません。特に、加齢に伴う視力や聴力の変化、手指の細かな動きの難しさなどによって、操作が難しく感じられることがあります。しかし、実は多くのIT機器には、そうした「使いにくさ」を解消するための様々な機能が備わっています。これらの機能は「アクセシビリティ機能」と呼ばれ、文字を大きくしたり、音を聞き取りやすくしたり、操作を補助したりすることで、より多くの人がIT機器を利用できるよう設計されています。

この記事では、親御さんがお使いのスマホやタブレットを、その方の身体的な特性に合わせて「使いやすく」するための代表的な設定や工夫についてご紹介します。そして、ご自身での設定が難しい場合や、もっと詳しく知りたい時に頼りになる地域の相談窓口についてもご案内します。

高齢者の方がIT機器を使う上での「使いにくさ」とその背景

高齢者の方がスマートフォンやタブレットを使う上で、よく耳にする「使いにくい」という声には、いくつかの身体的な変化が関係しています。

これらの変化は自然なことですが、IT機器の標準設定が、若い世代や健常な方々の利用を想定している場合、そのままでは快適な使用が難しくなることがあります。

「使いやすくする」ための代表的な設定(アクセシビリティ機能)

お手持ちのスマホやタブレットには、これらの「使いにくさ」を軽減するための様々なアクセシビリティ機能が搭載されています。主に「設定」アプリの中からこれらの項目を見つけることができます。OSの種類(iPhone/iPadのiOSや、Androidなど)によって項目の名称や場所は異なりますが、基本的な考え方は共通しています。

代表的な機能の例をいくつかご紹介します。

これらの機能は、「設定」アプリの中にある「アクセシビリティ」(あるいは「ユーザー補助」などの名称)といった項目にまとめられていることが多いです。

親御さんと一緒に設定を試す際のヒント

これらの設定を親御さんの機器に施す際は、いくつかの点に留意するとスムーズに進むでしょう。

家族の方がこれらの設定方法を調べて、一緒に試してあげることは、親御さんにとって非常に心強いサポートになります。

設定が難しい場合や、もっと詳しく知りたい時の地域での相談窓口

ご自身で設定方法を調べるのが大変、あるいは一緒に試してもどうも上手くいかない、といった場合もあるかと思います。また、親御さんご自身が「自分で操作方法を学びたい」と感じることもあるでしょう。そのような時には、地域にある様々な支援サービスを頼ることができます。

これらの地域の支援を活用することで、親御さんが専門家から直接アドバイスを受けられたり、同じような悩みを持つ人たちと一緒に学ぶことができたりします。家族の方にとっても、ご自身の負担を軽減しつつ、親御さんが安心してITを利用できるようサポートするための良い機会となります。

地域のIT支援サービスや相談窓口を探すには、お住まいの市区町村のウェブサイトを見たり、役所の高齢者福祉担当窓口や社会福祉協議会に問い合わせてみたりすると良いでしょう。

まとめ

親御さんがIT機器を快適に使うためには、機器に備わっている「使いやすくする設定」(アクセシビリティ機能)を適切に活用することが非常に有効です。文字のサイズ調整、画面の色合い、操作の補助など、少しの設定変更で「見えない」「聞こえない」「押せない」といった課題が解決できる場合があります。

ぜひ、親御さんと一緒に設定画面を開き、どのような機能があるか見てみてください。そして、親御さんが特に不便に感じている点について、一つずつ試してみることをお勧めします。

もし、設定方法が分からなかったり、もっと専門的なアドバイスが欲しかったりする場合は、一人で抱え込まず、地域のIT支援サービスや相談窓口の利用を検討してみてください。専門家や経験者の助けを借りながら、親御さんのデジタルライフがより豊かで快適なものになるよう、一緒にサポートしていきましょう。家族の負担軽減のためにも、地域の力を上手に借りていただければ幸いです。