親御さんの日々の楽しみを広げる!オンラインで地域情報・イベントを探すコツ
オンラインで地域情報を見つけて親御さんの暮らしに彩りを
親御さんが年齢を重ねるにつれて、外出の機会が減り、地域とのつながりが希薄になっていないかと心配されている方もいらっしゃるかもしれません。地域のイベントや講座、サークル活動といった情報は、そうした懸念を和らげ、日々の暮らしに新たな楽しみや生きがいをもたらすきっかけとなります。
かつては広報紙や回覧板が主な情報源でしたが、近年はインターネット上にも様々な地域情報があふれています。親御さんがこうした情報をオンラインで見つけられるようになれば、ご自身の興味や体調に合わせて活動を選びやすくなります。しかし、「どうやって情報を探せばいいの?」「詐欺サイトではないか心配」など、オンラインでの情報収集には不安が伴うこともあるでしょう。
この記事では、親御さんがオンラインで地域の情報を安全に見つけるための具体的な方法、ご家族がサポートする際のポイント、そして困った時に頼れる地域のIT支援についてご紹介します。
なぜ高齢者にとってオンラインでの地域情報検索が有用なのか
オンラインで地域の情報を検索できるようになることには、高齢者にとって多くのメリットがあります。
- 最新の情報にアクセスしやすい:広報紙や掲示板よりも早く、リアルタイムに近い情報を得られることがあります。イベントの中止や変更なども迅速に確認できます。
- 多様な情報源を調べられる:自治体の公式情報だけでなく、地域のNPOや市民活動団体、お店などが発信する細やかな情報も見つけやすくなります。
- 自宅で好きな時に調べられる:外出が難しい日でも、自宅にいながらにしてじっくりと情報を探すことができます。
- 情報格差の解消:デジタル化が進む社会において、必要な情報へのアクセス能力は生活の質に関わります。オンライン情報検索は、そうした情報格差を埋める一助となります。
- 社会参加の促進:興味のあるイベントや活動を見つけることで、外出のきっかけや地域の方々との交流の機会が増え、社会的な孤立を防ぐことに繋がります。
どこで地域の情報が見つかるのか
オンライン上には様々な地域情報源があります。代表的なものをいくつかご紹介します。
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自治体の公式ウェブサイト お住まいの市区町村のウェブサイトは、最も信頼できる情報源の一つです。広報誌のデジタル版が掲載されているほか、「イベント情報」「講座・教室」「健康・福祉」といったコーナーで、自治体が主催または後援する様々な情報を得られます。少しサイト内が複雑なこともありますが、まずはここから確認を始めるのが良いでしょう。
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地域の情報サイトやポータルサイト 自治体とは別に、地元の企業やNPO、個人などが運営する地域に特化した情報サイトが存在する場合があります。「(地域名) イベント」「(地域名) 講座」といったキーワードでインターネット検索をすると見つかることがあります。これらのサイトは、地域の小さなお店の情報やローカルな話題に強いこともありますが、中には情報が古かったり、広告が多かったりする場合もあるため、複数のサイトを比較検討することが望ましいです。
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SNSの地域情報グループやアカウント FacebookやX(旧Twitter)、Instagramなどには、特定の地域に関する情報を発信するグループやアカウントが多く存在します。地元のカフェのイベント情報や、フリーマーケット、地域のお祭り情報など、きめ細かい情報が得られる可能性があります。ただし、個人が発信する情報も多いため、情報の真偽については注意が必要です。
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地域の公民館や社会福祉協議会などのウェブサイト 公民館や図書館、地域の福祉施設などが独自のウェブサイトを持っている場合もあります。これらの施設が主催する講座やイベント、相談会などの情報が掲載されています。
親御さんと一緒に情報を探す際のステップと教え方のコツ
オンラインで地域情報を探すことを親御さんに勧める場合、ご家族が一緒に進めることが成功の鍵となります。
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まずは興味のあることから 「インターネットで何でも調べられるよ」といきなり言っても、漠然としていて取り組みにくいものです。「地域の〇〇に関する情報、インターネットで見てみない?」のように、親御さんが普段から関心を持っていること(例:園芸、歴史、手芸、健康体操など)に関連する情報から探してみることを提案するのが良いでしょう。
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一緒に操作してみる 最初は、ご家族が実際にパソコンやスマートフォンを操作して、情報が見つかる様子を見せてあげましょう。「こうやって文字を入れるとね、こういう情報が出てくるんだよ」といった具合に、具体的な手順を示します。
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操作は「見て、真似て、やってみる」の繰り返し 慣れてきたら、「次はここをクリックしてみて」「この言葉を入れて検索してみようか」などと声をかけながら、親御さん自身に操作を促します。うまくいかないことがあっても、「大丈夫、もう一回やってみよう」と励まし、根気強く寄り添う姿勢が大切です。
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よく見るサイトはブックマーク(お気に入り登録)する よく利用する自治体サイトや地域の情報サイトは、すぐにアクセスできるようブックマークやホーム画面に登録しておくと便利です。操作の手間が減り、親御さんの負担を軽減できます。
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見るべきポイントを伝える ウェブサイトには様々な情報がありますが、「どこを見ればイベント情報があるか」「いつの情報か(日付は重要)」など、必要な情報を見つけるためのポイントを具体的に伝えます。「一番上に書いてあることが多いよ」「『イベント』とか『お知らせ』って書いてあるところかな」といったヒントが役立ちます。
家族がサポートする上での注意点
親御さんのオンライン情報検索をサポートする際には、いくつかの注意点があります。
- 詐欺や不審な情報に注意:残念ながら、インターネット上には高齢者を狙った詐欺まがいの情報や不審なサイトも存在します。親御さんが不確かな情報源から何か登録したり、料金を支払ったりすることがないよう、信頼できる情報源の見分け方や、怪しいと感じた場合の対処法(一旦立ち止まって家族に相談するなど)を日頃から伝えておくことが重要です。
- 無理強いはしない:オンラインでの情報検索が親御さんの負担になるようであれば、無理強いはせず、別の情報収集手段(広報紙、地域の掲示板など)を尊重しましょう。ITはあくまで暮らしを豊かにするための道具です。
- 目の疲れや肩こりに配慮:長時間画面を見続けることは、目の疲れや肩こりの原因となります。適度に休憩を取りながら行うよう促しましょう。
家族だけでは難しい場合の支援先
ご家族だけでオンラインでの情報検索のサポートが難しい場合や、より体系的に学びたい場合には、地域の様々な支援機関を利用できます。
- 地域のIT教室・スマホ教室 高齢者向けのIT教室では、スマートフォンの基本的な使い方から、インターネットでの情報検索の方法などを学ぶことができます。少人数制のクラスや、個別の質問に対応してくれる形式など、様々なタイプがあります。
- 自治体のIT相談窓口 市区町村によっては、高齢者向けのIT相談窓口を設けている場合があります。操作方法に関する簡単な質問や、困りごとの相談に応じてくれます。
- 地域包括支援センターや社会福祉協議会 これらの機関では、高齢者の様々な相談に応じており、ITに関する困りごとについても適切な窓口を紹介してくれることがあります。
- NPOや市民活動団体 高齢者支援やIT支援を行っているNPOや市民活動団体が、無料または安価な相談会や勉強会を実施していることがあります。
こうした地域の支援をうまく活用することで、ご家族の負担を軽減しつつ、親御さんが安心してデジタルを活用できる環境を整えることができます。
まとめ
親御さんがオンラインで地域のイベントやお役立ち情報を探せるようになることは、日々の暮らしに楽しみや活動の機会をもたらし、社会との繋がりを保つ上で非常に有効です。最初の一歩は難しく感じられるかもしれませんが、ご家族が親身に寄り添い、興味のある分野から少しずつ一緒に進めていくことが大切です。
もしサポートが難しいと感じた場合は、地域のIT教室や相談窓口といった支援機関を頼ってみてください。オンラインでの情報アクセスを通じて、親御さんの暮らしがより豊かになるよう、ご家族と地域が連携して支えていくことができれば幸いです。