親御さんのためのオンラインレシピ・料理動画活用ガイド ~見つけ方、安全な使い方、地域で相談できる場所~
毎日の料理、オンラインで広がる新しい世界
親御さんの毎日の食事作りは、健康を保つ上でとても大切です。しかし、「今日の献立どうしよう」「この料理の作り方をもう一度確認したい」といった悩みは尽きないかもしれません。そんな時に役立つのが、スマートフォンやタブレットを使ったオンラインのレシピサイトや料理動画です。
オンラインには、文字で丁寧に説明されたレシピから、調理の手順を動画で確認できるものまで、様々な情報があります。これらを活用することで、新しい料理に挑戦したり、昔ながらの味を再確認したりと、食生活がより豊かになる可能性があります。
ただ、「インターネットでレシピを探すなんて難しそう」「動画ってどうやって見るの?」と感じる親御さんもいらっしゃるかもしれません。また、ご家族としても、どのように教えれば良いのか、安全に利用してもらうにはどうすれば良いのか、悩ましい点もあるでしょう。
この記事では、親御さんがオンラインでレシピや料理動画を楽しく安全に活用するための方法と、ご家族がサポートする際のヒント、そして困った時に頼れる地域の相談窓口についてご紹介します。
オンラインレシピ・料理動画のここが便利
インターネット上のレシピサイトや動画には、紙のレシピ本にはない様々なメリットがあります。
- たくさんの情報から探せる: 何十万、何百万というレシピの中から、食材や料理名、調理時間などで簡単に検索できます。
- いつでもどこでも見られる: スマホやタブレットがあれば、キッチンや外出先など、場所を選ばずにレシピを確認できます。
- 文字の大きさを変えられる: 画面表示の文字を大きくできるため、小さな字が見えにくい方でも安心です。(端末やアプリの設定によります)
- 動画で手順を確認できる: 特に料理動画は、火加減や混ぜ方、切り方など、文字だけでは伝わりにくい細かな動きが視覚的にわかります。一時停止や巻き戻しも自由にできます。
- 健康に配慮したレシピも見つけやすい: 減塩レシピや糖尿病向けのレシピなど、特定の健康状態に合わせた情報も豊富にあります。
- 費用がかからないものが多い: 無料で利用できるレシピサイトや料理動画チャンネルがたくさんあります。
ご家族にとっても、離れて暮らす親御さんと一緒に同じレシピを見ながら話したり、おすすめのレシピを簡単に共有したりといったコミュニケーションツールとしても活用できます。
オンラインレシピ・料理動画を見つける方法と基本的な使い方
主なレシピ情報源は、レシピサイトと動画サイトです。
レシピサイトの活用
「クックパッド」「DELISH KITCHEN(デリッシュキッチン)」「クラシル」などが有名です。これらの多くはスマートフォンやタブレット用の「アプリ」として提供されており、ウェブサイトとしても利用できます。
- 検索する: アプリやサイトを開くと、多くの場合、画面上部に検索窓があります。「鶏肉」「じゃがいも」「カレー」「煮物」など、作りたい料理名や使いたい食材の名前を入れて検索します。
- レシピを選ぶ: 検索結果から、タイトルや写真を見て気になるレシピを選びます。材料、作り方が詳しく書かれています。
- 調理中に確認する: 料理を作りながら、画面を見たり、必要であれば印刷したりして確認します。
料理動画サイトの活用
「YouTube」などの動画共有サイトで料理の作り方を見ることができます。
- 検索する: YouTubeアプリなどを開き、検索窓に「料理名 作り方」「食材名 レシピ」などと入れて検索します。
- 動画を選ぶ: 検索結果から、面白そうな動画を選んで再生します。多くの料理チャンネルがあります。
- 調理中に確認する: 動画を再生しながら調理します。一時停止ボタンで止めたり、再生位置を戻したり進めたりできます。
親御さんがつまずきやすいポイントとご家族ができるサポート、教え方のコツ
オンラインでのレシピや動画探しは便利な反面、高齢者の方が操作に戸惑うことも少なくありません。
つまずきやすいポイント
- 検索がうまくいかない: 入力した言葉(キーワード)が悪かったり、検索ボタンを押す場所が分からなかったり。
- 画面の操作: スクロール(画面を上下に動かす)や、目的のボタンを正確に押すのが難しい。
- 広告や不要な情報の混同: レシピ本文と広告の見分けがつかず、誤って押してしまう。
- 動画の操作: 再生、一時停止、巻き戻し、早送り、音量調整などのボタンの意味や場所が分かりにくい。
- 情報過多による混乱: たくさんのレシピが出てきて、どれを選べば良いか分からなくなる。
ご家族ができるサポートと教え方のコツ
これらのポイントを踏まえ、ご家族がサポートする際には以下の点を意識してみてください。
- 一緒に「やってみる」: 最初は隣で画面を見ながら、「ここを押すと次に行きますよ」「この印が検索ボタンです」などと具体的に示しながら一緒に操作してみましょう。
- よく使うものを登録しておく: よく見るレシピサイトをお気に入り(ブックマーク)に登録したり、お気に入りの料理チャンネルを「チャンネル登録」しておくと、次回から簡単に見つけられます。
- 分かりやすい言葉で説明する: 専門用語は避け、「押す」「触る」「動かす」といった日常的な言葉で説明します。「このボタンは『止まる』マークですよ」など、アイコンの意味も伝えると理解しやすいでしょう。
- 一度に詰め込まない: たくさんの機能を一度に教えるのではなく、まずは「検索してレシピを見つける」という一つの動作に絞って練習します。慣れてきたら、動画を見る、お気に入りに入れる、といった別の操作を教えましょう。
- 成功体験を積んでもらう: 「これでレシピが見られましたね、すごいですね!」など、できたことを具体的に褒め、自信に繋げてもらいましょう。
- 安全対策を手伝う: 広告ブロック機能の設定を検討したり、怪しいサイトにアクセスしないよう注意喚起したりします。もし有料サービスの登録画面が出てきたら、必ず家族に相談するように伝えておきましょう。
- 質問しやすい雰囲気を作る: 分からないことがあっても気軽に聞けるよう、「いつでも聞いてね」と伝えておきます。
困った時に頼れる地域の相談場所
ご家族でのサポートが難しい場合や、親御さん自身が自分で解決したいという気持ちがある場合は、地域のIT支援サービスや相談窓口を活用するのも良い方法です。
- 自治体や社会福祉協議会: 高齢者向けのIT講座や相談会を実施している場合があります。広報誌やウェブサイトで情報を確認してみてください。
- NPOや市民活動団体: 地域に根ざしたNPOなどが、個別相談やスマホ・タブレット教室を開催していることがあります。料理アプリの使い方など、具体的な内容に対応してくれる場所もあるかもしれません。
- 高齢者向けのスマホ教室: 民間や家電量販店、携帯キャリアなどが開催する教室では、基本的なスマートフォンの操作だけでなく、特定のアプリの使い方を学べる講座があることもあります。
- 公民館や図書館: インターネットに接続できるパソコンやタブレットが利用できたり、ITに関する相談会を不定期で開催したりしている場所があります。
- 地域のITボランティア: 自治体や社協を通じて、ITに詳しいボランティアを紹介してもらえる場合があります。自宅に来てもらい、個別に教えてもらうことも可能です(地域の制度によります)。
- 地域包括支援センター: 高齢者の様々な相談を受け付けている窓口です。ITに関する困りごとについても、適切な相談先を紹介してもらえることがあります。
これらの地域の相談場所を探すには、親御さんがお住まいの自治体のウェブサイトで「高齢者 IT支援」「スマホ教室」といったキーワードで検索するか、地域包括支援センターに問い合わせてみるのがおすすめです。
まとめ
オンラインのレシピサイトや料理動画は、高齢の親御さんの食生活を豊かにする素晴らしいツールとなり得ます。たくさんの情報の中から自由に選び、動画で分かりやすく手順を確認できるなど、そのメリットは多岐にわたります。
しかし、初めて使う方にとっては操作に戸惑うこともあるでしょう。ご家族が根気強く寄り添い、分かりやすい言葉で一緒に「やってみる」ことが、親御さんの「できた!」という自信に繋がります。
もしご家族でのサポートが難しい場合や、さらに深く学びたいという意欲がある場合は、地域のIT支援サービスや相談窓口の活用を検討してみてください。自治体やNPO、高齢者向けスマホ教室など、様々な場所でサポートを受けることができます。
オンラインレシピ・料理動画の活用を通じて、親御さんの毎日の食事がさらに楽しく、健康的なものになるよう、ぜひこの記事でご紹介した情報を役立てていただければ幸いです。